日曜日担当なのですが、他のメンバーが力尽きているようなので適当に公開しています。
まず、僕の研究の話をする前に、先にボスの話をしておいたほうが良いかもしれません。
僕がお世話になった研究室はKings College LondonのGuy's Hostpital、Tower Wing にある"Craniofacial Development and Stem Cell Biology"所属の"Nanomaterials and Biointerface Lab"(Chiappini Lab)です。わかりやすく解説するのであれば、キングス・カレッジ・ロンドンというイギリスで最も高いレベルの歯学部を持つ大学の"顎顔面発生学及び幹細胞生物学"分野に所属している非常に新しい研究室になります。
この研究室は"ナノマテリアルとバイオインターフェイスの研究室"という名前の通り、顎顔面発生学に関する研究は1mmも行っておらず、未だ日本ではあまり知られていないNanoneedle(ナノニードル)というツールや物理学的なアプローチを使った研究を行っています。
ナノニードルとはなんぞや。という話から普通の人にはチンプンカンプンだと思うのですが、それもそのはず…日本で最初に開発されたにもかかわらず、日本語のウィキペディアすら無い状況です。
*英語版ウィキペディア
また、非常に細い注射針のことをナノニードルと呼んでいる企業も多く、むしろそっちのほうが日本語だとヒットするようです。
Chiappini Labのウェブサイトに出てくる写真が一番わかり易いと思うのですが、ナノニードルとはマジでちっこい針です。
Gizmodoにも取り上げられているので、是非見てみてください。
・Tiny 'Nanoneedles' Could Help Your Damaged Organs Repair Themselves
僕はNANOBIOPSYというプロジェクトを手伝ったのですが、個人的に元々興味のあった分野で、非常に面白く、イタリア人のPhD studentであるDavide(通称:陽気なイタリア人)とガンガン実験をしていました。
強烈にClassifiedなプロジェクトを手伝わせて頂いた関係でこの先が非常に不安ですが、どうなることやら'`,、('∀`) '`,、
で、まぁそんな感じで特に予定の無い土日も研究室にフラフラと遊びに行って研究を手伝っているわけですが、仕事量や一日のスケジュールの目安になりそうなものがあるので参考までに記載しておきます。
普通の日
ラボミーティングのある月曜日
僕はかなり規則正しく生活するタイプの人間なので、大体こんな感じで生活していました。日によって大学を出るのが22時くらいになったり、15時くらいに帰って友達と遊ぶ日もあるのですが、基本的にはこのスケジュールで動いていました。
念のため書いておくと、僕は非常に特殊なパターンで、通常は10:00〜17:00くらいで終わるはずです。また、僕たちはかなり実験的な実験をやっている関係で、機械を専有する時間が長い+少々イレギュラーな使い方をする為、土日や遅めの時間にプロトコルを実施したりしていました。
その結果…と言うと非常に変な言い方ですが、僕がChiappini Labでやらせて頂いた研究内容をまとめたスライドは合計50枚ほどに達し、実験そのものも1サイクル+追加試験+1サイクル出来ています。(先日統計処理とパワーポイントの諸々を手伝ったMSc(修士課程)の学生の最終発表が50枚くらいだった。というとわかりやすいでしょうか…ゲフンゲフン)
こちらで新規に教えて貰ったことは
・Rを使ったプログラミングとデータ解析(1ヶ月かかった…)
・物理系のデータへのアプローチ方法(すんなり理解)
・GraphPad Prismのアレコレ(30秒で把握)
・画像解析(30秒で把握)
得したスキルは
・パワーポイントスキル
・統計処理ソフトのスキル
・全般的なPC系知識とスキル
・生物系/化学系の実験スキル
・工学系の設計/デザインスキル
・写真撮影
・英語
という感じで、たまたま変なバックグラウンドを沢山持つ僕が出来ることと、バリバリの物理系であるDavideが出来ることが微妙にずれており、足を引っ張るだけでは無く、彼を助けることが出来たのは非常に喜ばしいことかもしれません。(と、僕が信じているだけで、彼の足を引っ張りまくり+彼の休日を潰しまくりだったのも事実です笑)
また、面白いと感じたのはパワーポイントの使用方法で、こちらの人って機能をフル活用するんですね…。今まで知らなかった機能を幾つも教えて貰い、かなりスキルアップ出来ました。
惜しむらくは8月中旬に導入された3Dプリンタで使う3D CADデータを作っている時間が無かったこと…。もうちょっと幅広いPCスキルを磨く必要がある。と痛感しました。
英語で困る瞬間は一度もありませんでした。と言いつつも、もうちょっと出来たら…と思うことの連続だったので非常に微妙な感じでした。英語力的には問題は無いのですが、自称バイリンガルとしてはもうちょっとスピーキングスキルを磨く必要があるな。と思ったことも事実です。